Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぶんちょう

文鳥

夏目 漱石

Leggi 文鳥 (ぶんちょう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.569 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

おおかた眠たいのだろうと思って、そっと書斎へ這入ろうとして、一歩足を動かすや否や、文鳥はまた眼を開いた。同時に真白な胸の中から細い足を一本出した。自分は戸を閉てて火鉢へ炭をついだ。

小説はしだいに忙しくなる。朝は依然として寝坊をする。一度家のものが文鳥の世話をしてくれてから、何だか自分の責任が軽くなったような心持がする。家のものが忘れる時は、自分が餌をやる水をやる。籠の出し入れをする。しない時は、家のものを呼んでさせる事もある。自分はただ文鳥の声を聞くだけが役目のようになった。

それでも縁側へ出る時は、必ず籠の前へ立留って文鳥の様子を見た。たいていは狭い籠を苦にもしないで、二本の留り木を満足そうに往復していた。天気の好い時は薄い日を硝子越に浴びて、しきりに鳴き立てていた。しかし三重吉の云ったように、自分の顔を見てことさらに鳴く気色はさらになかった。

自分の指からじかに餌を食うなどと云う事は無論なかった。折々機嫌のいい時は麺麭の粉などを人指指の先へつけて竹の間からちょっと出して見る事があるが文鳥はけっして近づかない。少し無遠慮に突き込んで見ると、文鳥は指の太いのに驚いて白い翼を乱して籠の中を騒ぎ廻るのみであった。