Classici giapponesi con furigana
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ぶんちょう
文鳥
Leggi 文鳥 (ぶんちょう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.569 caratteri · 22 schermate
二三度試みた後、自分は気の毒になって、この芸だけは永久に断念してしまった。今の世にこんな事のできるものがいるかどうだかはなはだ疑わしい。おそらく古代の聖徒の仕事だろう。三重吉は嘘を吐いたに違ない。
或日の事、書斎で例のごとくペンの音を立てて侘びしい事を書き連ねていると、ふと妙な音が耳に這入った。縁側でさらさら、さらさら云う。女が長い衣の裾を捌いているようにも受取られるが、ただの女のそれとしては、あまりに仰山である。雛段をあるく、内裏雛の袴の襞の擦れる音とでも形容したらよかろうと思った。自分は書きかけた小説をよそにして、ペンを持ったまま縁側へ出て見た。すると文鳥が行水を使っていた。
水はちょうど易え立てであった。文鳥は軽い足を水入の真中に胸毛まで浸して、時々は白い翼を左右にひろげながら、心持水入の中にしゃがむように腹を圧しつけつつ、総身の毛を一度に振っている。そうして水入の縁にひょいと飛び上る。しばらくしてまた飛び込む。水入の直径は一寸五分ぐらいに過ぎない。飛び込んだ時は尾も余り、頭も余り、背は無論余る。水に浸かるのは足と胸だけである。それでも文鳥は欣然として行水を使っている。