Classici giapponesi con furigana
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みすじまちかいわい
斎藤茂吉随筆集
斎藤 茂吉
Leggi 斎藤茂吉随筆集 (みすじまちかいわい) di 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.559 caratteri · 37 schermate
そのかわり、動物学で学んだ蚤の幼虫などは、畳の隅、絨毯の下などには幾つも幾つもいたものである。私はある時その幼虫と繭と成虫とを丁寧に飼っていたことがある。特に雌雄の蚤の生きている有様とか、その交尾の有様とかいうものは普通の中等教科書には書いてないので、私は苦心して随分長く飼って置いたことがある。飼うには重曹とか舎利塩などのような広口の瓶の空いたのを利用して、口は紙で蔽うてそれに針で沢山の穴をあけて置く。また時々血を吸わせるには、太股のところに瓶の口を当てて置くと蚤が来て血を吸う。そういうときに交尾状態をも観察し得るので、あの小さい雄の奴がまるで電光の如くに雌に飛びつく。もはや清潔法は完備し、駆虫剤の普及のために蚤族も追々減少して見れば、そういう実験をしようとしても今は困難であるから、私の子どもなどはもうこういうことは知らないでいる。
そうだ、火事のところでいい忘れたが、火事が近くて火の粉の降りかかって来たのが鳥越町に一つあった。また凄かったのは神田和泉町の第二医院の火事で、あまりの驚愕に看護婦に気のふれたのがあって、げらげら笑うのを朋輩が三、四人して連れて来るのを見たことがある。