Classici giapponesi con furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Leggi 斬られたさに (きられたさに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.352 caratteri · 41 schermate
「いやいや。確かに竹刀離れがして来たぞ。のう平馬殿……お手前はこの中、どこかで人を斬られはせんじゃったか。イヤサ、真剣の立会いをされたであろう」
平馬は無言のまま青くなった。恩師の前に出ると小児のようにビクビクする彼であった。
「ハハハ。図星であろう。間合いと呼吸がスックリ違うておるけにのう。隠いても詮ない事じゃ。その手柄話を聴かして下されい。ここまでの事じゃから差し置かずにのう」
いつの間にか両手を支えていた平馬は、やっと血色を取返して微笑した。叱られるのではない事がわかるとホッと安堵して盆を受けた。赤面しいしいポツポツと話出した。
ところが、そうした平馬の武骨な話しぶりを聞いている中に一柳斎の顔色が何となく曇って来た。しまいには燗が冷めても手もつかず、奥方が酌に来ても眼で追い払いながら、しきりに腕を組み初めた。そうして平馬が恐る恐る話を終ると同時に、如何にも思い迷ったらしい深い溜息を一つした。
「ふううむ。意外な話を聞くものじゃ」
「ハッ。私も実はこの不思議が解けずにおりまする。万一、私の不念ではなかったかと心得まして、まだ誰にも明かさずにおりまするが……」