Classici giapponesi con furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Leggi 斬られたさに (きられたさに) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.352 caratteri · 41 schermate
「……ええ。お頼み申します。お取次のお方はおいでになりませぬか。手前は見付の佐五郎と申す者で御座います。どなたかおいでになりませぬか。お頼み申しますお頼み申しますお頼み申します……」
という性急な案内の声を他所事のように聞いていた。
一柳斎は伸び伸びと肩を上げてうなずいた。
「いや。無事にお届が相済んで祝着この上もない……まず一献……」
贋せ侍斬りに就いて大目附へ出頭した紋服姿の石月平馬と、地味な木綿縞に町の低い役袴を穿いた三五屋、佐五郎老人が、帰り道に招かれて夕食の饗応を受けていた。大盆を傾けた一柳斎は早くも雄弁になっていた。
「……のう……一存の取計らいとはいう条、仮初にも老中の許し状を所持致しておる人間じゃ。無下に斬棄てたとあっては、無事に済む沙汰ではないがのう……お江戸の威光も地に墜ちかけている今日なればこそじゃ。それに又、佐五郎老体の言葉添えが、最初から立派であったと云うからのう。番頭の筆頭が感心して話しおったわい」
「どう仕りまして……無調法ばかり……」
「いや。なかなかもって……お関所破りの贋せ若衆とあれば天下の御為に容易ならぬ曲者と存じ、当藩の役柄の者に付き纏うところを、ここまで逐い詰めて参いったとあれば、大目附でも言句はない筈じゃからのう……殊更に御老中の久世広周殿も、お役御免の折柄ではあるし