Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんまんようものがたり

新万葉物語

伊藤 左千夫

Leggi 新万葉物語 (しんまんようものがたり) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4832 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

木立の隙から園部の家の屋根瓦がちらちら光って見える。

「三郎さんは厭な人どころではないけれど、あんな立派な家の人だから、旦那様やお母さんはあんなむずかしそうな人だから、何だか気味が悪い」お小夜は胸の動悸をはずませて考え込む、米を研ぐ手も上の空に動かしてる。

「私といっしょに耕作するって、ほんとに三郎さんはそんな気かしら、三郎さんがほんとにそんな気ならばいくら嬉しいか知れぬけれど……大学校を卒業した、園部の三男様が、私といっしょに耕作するって、あんだかほんとにできねい。どうしたもんかなあ……」お小夜は研ぎ終った米に、いま一釣瓶の水を注いで、それなり立って考えてる。考えは先から先へ果しがないのである。

「姉さん……姉さん、田雀を拵えてくっだい、姉さんてば」

お小夜は国吉に呼立てられ、はっとして病母のことに思いかえった。それから手早に雀を拵え、小皿に盛るほどもない小鳥を煮て、すべての夕食を調えた。病母も火の端へ連れ出して四人が心持よく食事をした。

祖母も病母も小鳥がうまいうまいと悦んだので、国吉はおれがおれがと得意にぶっちめの話をする。こうしたところを見れば、誰の顔にも不満足な色はない。