Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.841 caratteri · 376 schermate
――それを耕すにも、安穏に暮してゆけるのも、それは御支配のお守りがあればこそで、御領主さまの恩はよく弁えておりますが、さればとて、その御領主がみな善いわけではございません。天朝さまの百姓を――あだに死なせる御領主もないことではございませんでした」
「老婆。そもじは、この家康が、そういう領主と思うておるか」
「そんな武将ではおわさぬと、せがれどもも、お慕いしておりましたればこそ、足軽奉公に出、やがて浜松で、侍のはしにまで、お取立ていただいたのでございまする。……けれど、ありよう申しあげれば、戦のため、年々年貢のおとりたては高まり、若い働きては召し出され、麦秋や収穫時といえば、他国の兵に荒らされたり……それはもうことばにも尽せぬほど、村は困窮しておりまする。冬になれば、飢えるもの、薬も求められぬもの、妊娠っても産めぬものなどが、いっぱいでございまする。……これが伊勢の大神さまに侍いたものの御裔かと、正直、日頃そう嘆かれまするで、折ふしきょう、御領主さまのお通りを拝んだら、急に、胸がふさがってまいりました。――せがれどもの生命二つが、わしらへ下さる恩賞に代って、もっとこの村のうえに、ひろい御仁慈となってくだされたらと。