Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.841 caratteri · 376 schermate

Aozora Bunko

河原のほうへ駈け降りる。――と、そこの雑草や石ころの辺りに、賽の河原を見るように、無数の死体が横たわっていた。

――と、その中に。

乱髪を顔にかぶせて、血どろのまま仰向いていた一個の死骸があった。駈け下りて来た久作の足もとから、わッと、銀蝿の群れが唸って舞った。

「――やッ?」

何気なく、久作が振り向いた。髪の毛で、顔を隠していた死骸の足を踏んだ気がしたのである。それはいいが、変な触感がしたので怪しみながら振り向くと、とたんに、その死骸は、脱兎の如く、信長の陣所の前へ向って駈け出して行った。

「御要意あれッ。――それへ敵がッ」

久作は、後ろから呶鳴った。

信長の姿を見かけて、低い堤を、駈け上がろうとした敵は、草鞋の緒を踏み切って、堤の途中で辷った。

「うぬッ」

圧しかぶさって、久作が手捕りにした。そして、信長の前へ曳いてゆくと、

「はや、首を打てッ。すぐ打てッ。武士に恥を与えるな」

と、その者は怒号しつづけた。

信長の陣中へ、捕虜となって縛られて来た浅井方の一人安養寺三郎右衛門は、怒号しているその味方を一眼見ると、突然声をあげて泣き出した。

「オッ、喜左衛門どのか。