Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

いまおまえが、お襁褓をあてている子どもをよく御覧。それは誰だ?

おれが死ねばおれではないか。

おまえが死んだあとはおまえではないか。

おれ亡きあとは、かたちこそ違え、たしかにおれであるその者たちを護ってくれよ。おまえならでは、それを託するものはいない。

夫婦は二世という。

あの世のことではない、この世からだ。

「……頼むぞ」

強右衛門は声をあげて云いたかった。顎がわくわくうごいた。

彼は、ふところを探って、白紙に包まれた物を取り出し、どこに置こうかと、手に持って迷った。

それは主家の紋のついている紅白の打菓子であった。城中で待たされている間に、特に、下された菓子だった。

微量ながらこれには砂糖というものが入っていると聞かされた。砂糖などというものは舐めたことは愚か、見たこともない。――特に、織田殿がお泊りなので、上賓へ馳走のため、膳部の者が自慢で製ったものだという。

こよい城中でそれをいただいた時、強右衛門は、爪のさきほど欠いて食べた。この君恩を妻や子にもすぐ頒けたくなったのである。――彼は、手をのばして、菓子の包みを、窓の下へ、そっと落した。

「……誰方?」