Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate

Aozora Bunko

一蹴の下に突破して、ただちに徳川、織田の中軍へ錐揉み戦法で押し通るつもりであったらしい。

わあッと、いちどに柵へかかったのである。或る者は、柵に攀じて躍り越えようとし、或る者は、大鎚や金鉄棒をふるって打ち倒しにかかり、或る者は鋸をもって挽き、また或る者は油をそそぎ火を放けて焼き払おうと、必死であった。

信長方では、それまでの戦闘を、柵外の佐久間、大久保の二隊にまかせて、茶磨山全山の陣々、寂としていたが、

「よしッ!」

本陣のあたりで、颯と、金采が風を切ると、各所の鉄砲組の部将すべてが、

「撃てッ!」

「撃てーえッ」

と、号令の声を競った。

ドドドドッ。ダダダダダッ――大地はとたんに狂震し出した。山も裂け雲もちぎれ飛ぶばかりである。硝煙は蜿蜒たる柵をつつみ、まるで蚊の落ちるように、その下に甲軍の兵馬は死屍を積みかさねた。

「退くなッ」

と、督戦していた将も、

「おれにつづけ」

と、我武者羅に、柵を目がけ、戦友の屍を踏んで、跳びかかって来る勇士も、驟雨のような弾道の外ではあり得なかった。くそうッ、無念ッ、何のッ――と叫びつつ喚きつつ、ばたばたと同じ屍となり終った。