Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
ことをその実践に示して、天下にあきらかにすることにあった。
しかも彼には、勤王ということばはなかった。彼のみでなく、戦国の諸将は、あえて勤王というような言を平常にそう用いなかった。いま、世はなお戦乱の熄む日もないが、一人として、朝廷に対し奉って、大逆的な行為など振舞う賊子はないのである。むしろ競って、信長のような立場になり、信長のように忠節の実を挙げ、赤子の歓びを持ちたいのであった。けれどそれをなすには、それを成すに足る器でなければ出来なかった。
――だから彼のこの旅行は、最大な満足にちがいなかった。また四隣から、全土の群雄から、いかに羨望な眼をもって見られていたかも分るのである。
「――休もう、ひと汗拭え」
ちょうど、山中の上まで来たときである。信長は、急に馬を降りた。そして真っ先に、列から脱け出し、道の傍らにある小さい馬頭観音の日陰へ大股に立ち寄った。
小姓たちは慌てた。
出しぬけを喰った宿将や側衆なども、狼狽を極めながら、
「なんでこんな所で、にわかに御休息を云い出されたのか」
と、信長の心を疑いながら、みな後から後へと、
「やすめ。――停まれ」