Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
今日は再度のお使いとして、その儀、それがしをもって確かめにおつかわしなされたわけじゃ。重治殿、御返事を承りたい」
「それはそれは」
と、半兵衛は板のように薄い背を見せて、両手をつかえながら、
「つい、私の怠りのため、左様な御焦慮を煩わしましたか。――少々、病の軽くなり次第に、取り急いで御意に副うよう努めまする」
「な、なに。……なんといわれたか」
信盛はあわてた。――というよりもその顔色に示された通り、余りな答えに、怒りを駆られて、その激気の遣り場に、舌のもつれをどうしようもないような恰好であった。
胸をあげて――半兵衛は病人特有な眼で、客の激色を冷々と見ている。
「では……では何か」
さわがしい眸と、しずかな眸は、口から吐く声をよそに、絡みあったまま解けもしない。
信盛は、せきこんで、
「貴公はまだ、あの質子を、打っておらないのか。その首を、伊丹城におる黒田官兵衛のところへ、送ってもおらないのか。そうなのであるか」
「御意のとおりです」
「御意のとおりだと? はーて? 異なお答えを聞くものだ。承知のうえで、敢えて君命に違背されるか」
「滅相もない。仰せは承っております」