Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 197.228 caratteri · 394 schermate
そう一言いっては、眼のすみから又四郎の顔色を見、また一言いっては、相手の反応を打診していた。
打てばひびくというふうに、又四郎も図にのって、その血気と鬱憤を、不平らしいことばの裡にちらちら洩らした。
「まあ、湯にでも入って」
八蔵はやさしく情けをかけた。情熱に感じやすい若者へは、甘やかし過ぎるほどよく宥わった。
四、五日、彼はここに匿われていた。そのうち噂もうすらいだ。国外へ脱出してしまったものだろうという見解が、一般に又四郎の行方に下されて来たらしい。
「石川。……貴公のことばをお伝えしたところ、大賀殿にも、非常なおよろこびだ。ぜひ会おうと仰せられる。――しかし大賀殿のほうからこれへお運びになると、ちと人目がうるさい。こよい、そっと伴れて来いとのことだが……同道してくれるか。もちろんそれがしが伴いてゆく」
潜伏している彼の部屋へ、主の八蔵が来ての話しである。又四郎は、眼に歓びを見せて、
「ぜひ、御同道を」
と、両手をつかえた。
懐中へ入って来た窮鳥にたいして、山田八蔵が何を語らったか。彼と大賀弥四郎との関係を考えあわせれば、あえて詮索するまでにも及ばない。