Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
君は入りたまひて、ただ一人臥したるを、心やすく思す。床のしもに二人ばかりぞ臥したる。衣を押しやりて寄り給へるに、有りし気はひより物々しく覚ゆれど……
「あらっ。……いけない」
小娘は、にわかに顔を紅くし、本をふせてしまった。銀杏のようなつぶらな眼は、いとど大きく、ため息さえついた。
日課として、源氏の訓みと解を教えている松琴尼は、文学には熱心なこの少女が、勉強の中途でこんな声を出したのは初めて見ることだったので、
「おや? 於通は、どうしたことですか」
と、笑った。そして於通の眼とともに、濡れ縁の障子明りをふり向いて見まもった。
「いやですわ、禅尼さま。……たれかそこで、聞いているのですもの」
「そんなことはないでしょう。たれも人のいるはずはありませんもの」
「いいえ、います。さっきから、きき耳たてていたにちがいない」
「たれがです」
「たれだかわからないから、なお……」
「きっと、いつもの子猫でも来ているのであろ」
気休めとはおもいながら、松琴尼は立ってそこをあけてみた。すると、思いがけない者が、いつの間にかそこのぬれ縁の端へ来て、ちゃんと腰かけていた。内から障子があいたので、何か、恍惚としていたその客も、