Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
おやすいことです。しかしおん身も僧、わらわも僧である以上、交会はよろしく俗ならざる所をえらんで相楽しみましょう。けれど御僧はまさかその場に臨んでおいやとは云いますまいねと、念を押した」
「なるほど、そして」
「火のごとき恋の若僧、なんのと答えた。もし尼がわが願いをかなえてくれるならば、湯火を辞せずと約束した。――数日の後、了庵の上堂に、一山の大衆が雲集した。と、ひとりの尼、真白い全身に尺布もまとわず、赤裸の観世音かと見ゆるばかり、凛として階の上に立ち、微妙の霊音ともひびく声を張って大衆の中へ云った。先の夜、尼の室に忍んできた御僧、お約束のごとく、今日ここで交会しましょう。はやく来て、おん身の慾情をほしいままに遂げ給えや――と」
「おどろいたろうな。一山の禅坊主も」
「当の若僧は逃げ出したそうだ」
「やれ、あわれ。それや若僧の方に同情される」
「する値打はない。禅坊主などにならねばよかったのだ」
「そうもいえるな。慧春尼とは、それでいて、そんな美人だったのか。聞くだに、惜しいここちがする」
「慧春尼には、もっとおもしろい話もあるが……。ま、やめておこう」
「なぜ。なぜの」