Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
また、今日とて美濃にこそあれ、大垣、岐阜、池尻の三城を父子で持ち、むすめ聟の森武蔵守長可も可児郡兼山の城主である。めぐまれていないとはいえない。不平もあろうはずはない。――がただ、秀吉に比すればちがいすぎる。
如才ない秀吉は、それでも折々、むかし友達には気をつかい、甥の秀次に、勝入のむすめを娶り、会えば、ことばの端にも、
(おれとおぬしとは、むかしは悪友、いまは姻戚。よくよく切っても切れぬ仲ではあるよ)
などと、平常から万一の時のため、抜け目なく紐をつけはしていたが、いよいよ今年このたびこそは、必然、並び立たぬ大物相手に、天下分け目の一戦やむなしとなると同時に、逸早く、この大垣へも使いを派し、
(水臭いことを云い遣るようだが、おぬしが、秀吉に加担をちかってくるるなら、いつか申したように、長吉を羽柴家の義子とし、それに尾濃参の三ヵ国を与えようではないか。気前よく、ウンといえ。返事が待ち遠いぞ)
と、二度まで、彼一流の仮名文字で、直筆の書面まであった。
すぐ返辞のやれなかったのは、勝入に、そねみや卑屈があったわけではない。秀吉と共に働くことは、誰と仕事するよりも、愉快なことはよく知っている。