Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
井伊兵部も、駈けて来て、
「いたずらに勝ち驕り、なお図に乗って追う者は、帰陣のせつ、軍罰に問わんとの、おことばであるぞ。――もどれ、もどれ」
と、声をからして、味方のなかへ、云ってまわった。
ようやく、騎虎のいきおいは熄み、徳川勢は、矢田川を境として、みなひきあげた。
時刻は、午の下刻(午後一時)ごろであった。
陽は、ちょうど中天。四月初めとはいえ、雲は、夏近いすがたを示し、将士の顔は、どれもこれも、土と血と汗にまみれて、燃えるような色をしていた。
未の刻(午後二時)――家康はふじヶ根山の陣所を降りて、香流川をわたり、権道寺山のすそで、首実検の式をあげた。
今朝から半日の全戦場にわたって、秀吉方の死者は、二千五百余人とかぞえられ、徳川、北畠、両軍の損害は、討死五百九十余人、手負いは、数百名にものぼった。
しかし、秀吉方にくらべて、徳川方の犠牲は、約三分の一強であった。
そのとき、本多佐渡守は、家康へいった。
「この大捷は、あまり自慢にはなりません。なぜならば、秀吉方の軍勢は、かれが上方からひっさげて来た全兵力の一支隊にすぎないものですが、お味方は、小牧にある全軍をあげてこれへ臨んだものです。