Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.757 caratteri · 375 schermate
きょう越前へ向って歩く足は私も持っていません」
毛受勝助家照。
モト尾張国春日井郡ノ人ナリ、十二歳ニシテ勝家ニ仕へ、後、扈従頭トナル。
性信厚、学ヲ修シ、古風ヲ好ミ、母ニ孝アリ(後略)
「近江国地志略」の橡谷の条に、著者寒川辰清は、彼の芳魂を弔って、その生い立ちをこう誌している。
はやくに父を亡い、母の手に育てられた毛受兄弟の親思いはそれによるまでもなく、藩内でもみな人の知るところであった。
その兄弟が、兄弟三人とも、主家の馬印の下にふみとどまって、勝家の危急を救い、武門の名に殉じたのを見れば、平常、その家の風や、母なる人の躾ぶりも、さこそと、窺われる。
――とにかく、兄茂左衛門も、弟の勝兵衛も、勝助家照が残るからにはと、一魂の死盟、炳として掲げたる馬印の、金簾燦風の下を、去る気色もない。
「さらば共に」
と、勝助もいまは、兄へも弟へも、家郷へ帰り給えとはすすめなかった。
そして、岩清水一掬の、水盃を汲み合うて、清涼の気、胸をとおるとき、兄弟三人がひとしく家郷の母へ向って、
(余生、おさびしくお在しましょうが、世間に、肩身のお狭いような死に様はいたしませぬ。