Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
ナムアミダブツのお釈迦様は、妙に色ッぽい目をして、私のこの頃の夢にしのんでいらっしゃる。
「じゃアさよなら、あなたいいお嫁さんおもちなさいね。」
「ハア?」
いとしい男よ、田舎の人は素朴でいい。私の言葉がわかったのかわからないのか、長い月の影をひいて隣の町へ行ってしまった。明日こそ荷づくりをして旅立ちましょう……。久し振りに家の前の燈火のついたお泊宿の行燈を見ていると、不意に頭をなぐられたように母がいとしくなってきて、私はかたぶいた梟の眼のような行燈をみつめていた。
「寒いのう……酒でも呑まんかいや。」
茶の間で母と差しむかいで一合の酒にいい気持ちになっている。親子はいいものだと思う、こだわりのない気安さで母の顔を見た。鼠の多い煤けた天井の下に、又母を置いて去るのは、いじらしく可哀想になってしまう。
「あんなひとは厭だわねえ。」
「気立はいい男らしいがな……」
淋しい喜劇である。ああ、東京の友達がみんな懐しがってくれるような手紙をいっぱい書こう。
*
(一月×日)
海は真白でした
東京へ旅立つその日
青い蜜柑の初なりを籠いっぱい入れて
四国の浜辺から天神丸に乗りました。