Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate

Aozora Bunko

寝転んで鏡を見ていると、歪んだ顔が少女のように見えてきて、体中が妙に熱っぽくなって来る。

こんなに髪をくしゃくしゃにして、ガランスのかった古い花模様の蒲団の中から乗り出していると、私の胸が夏の海のように泡立って来る。汗っぽい顔を、畳にべったり押しつけてみたり、むき出しの足を鏡に写して見たり、私は打ちつけるような激しい情熱を感じると、蒲団を蹴って窓を開けた。――思いまわせばみな切な、貧しきもの、世に疎きもの、哀れなるもの、ひもじきもの、乏しく、寒く、物足らぬ、はかなく、味気なく、よりどころなく、頼みなきもの、捉えがたく、あらわしがたく、口にしがたく、忘れ易く、常なく、かよわなるもの、詮ずれば仏ならねどこの世は寂し。――チョコレート色の、アトリエの煙を見ていると、白秋のこんな詩をふっと思い出すなり、まことに頼みがいなきは人の世かな。三階の窓から見降ろしていると、川端画塾のモデル女の裸がカーテンの隙間から見える。青ペンキのはげた校舎裏の土俵の日溜りでは、ルパシカの紐の長い画学生達が、これは又野放図もなく長閑な角力遊びだ。上から口笛を吹いてやると、カッパ頭が皆三階を見上げた。