Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
さあ、その土俵の上にこの三階の女は飛び降りて行きますよッって呶鳴ったら、皆喜んで拍手をしてくれるだろう――川端画塾の横の石垣のアパートに越して来て、今日でもう十日あまり、寒空には毎日チョコレート色のストーヴの煙があがっている。私は二十通あまりも履歴書を書いた。原籍を鹿児島県、東桜島、古里、温泉場だなんて書くと、あんまり遠いので誰も信用をしてくれないのです、だから東京に原籍を書きなおすと、非常に肩が軽くて、説明もいらない。
障子にバラバラ砂ッ風が当ると、下の土俵場から、画学生達はキャラメルをつぶてのように、三階へ投げてくれる。そのキャラメルの美味しかったこと……。隣室の女学生が帰って来る。
「うまくやってるわ!」
私のドアを乱暴に蹴って、道具をそこへほうり出すと、私の肩に手をかけて、
「ちょいと画描きさん、もっとほうってよ、も一人ふえたんだから……」と云った。
下からは遊びに行ってもいいかと云うサインを画学生達がしている、すると、この十七の女学生は指を二本出してみせた。
「その指何の事よ。」
「これ! 何でもないわ、いらっしゃいって言う意味にも取っていいし、駄目駄目って事だっていいわ……」