Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
女ほど同情のないものはない。
いいお天気なのに道が悪い。昼から隣にかもじ屋さんが店を出した。場銭が二銭上ったと云ってこぼしていた。昼はうどんを二杯たべる。(十六銭也)学生が、一人で五ツも品物を買って行ってくれた。今日は早くしまって芝へ仕入れに行って来ようと思う。帰りに鯛焼を十銭買った。
「安さんがお前、電車にしかれて、あぶないちゅうが……」
帰ると、母は寝床の中からこう云った。私は荷物を背負ったまま呆然としてしまった。昼過ぎ、安さんの家の者が知らせに来たのだと、母は書きつけた病院のあて名の紙をさがしていた。
夜、芝の安さんの家へ行く。若いお上さんが、眼を泣き腫らして病院から帰って来たところだった。少しばかり出来上っている品物をもらってお金を置いて帰る。世の中は、よくもよくもこんなにひびだらけになっているものだと思う。昨日まで、元気にミシンのペタルを押していた安さん夫婦を想い出すなり。春だと云うのに、桜が咲いたと云うのに、私は電車の窓に凭れて、赤坂のお濠の燈火をいつまでも眺めていた。
(四月×日)
父より長い音信が来る。長雨で、飢えにひとしい生活をしていると云う。