Classici giapponesi con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
それは本当かね? はい、本当の事でございます。男はやっかいなものです。辛くて一緒にはおられません。私は何をしたら一番いいでしょう? それは知らん。あんまり薄情な事は云わないで下さい。――亀と話をしているのは面白い。一人で私はぶつくさと亀と話をしている。
足もとの小石を拾って、汚れた池へどぽんと投げる。亀の首が縮む。その縮みかたが何だかいやらしい。わあっと笑い出したくなって来る。
こんなに賑やかなところにいて、亀も私も到って孤独だ。かんのん様が何だよと呶鳴りたくなる。巨きなお堂のなかへ土足でがたがたと這入る。暗い奥に燈がいさり火のようにゆらゆらと光っている。
夕方新宿へ帰る。行くところもないので店へ戻る。二階で勝ちゃんが大きな声で浪花節を歌っている。電気もつけないで薄暗い所で歌をうたっている。あああれがけいせいけいこくと云い、金さえあれば自由になるものか、わしもやっぱり人の子じゃア……。気持ちの悪い声なり。
疲れたので、毛布を出して横になる。
ああこれでは一生このままで終ってしまう。どうにもならぬ。ぱっとした事はないのだろうか……。何かがバクハツするような事はないのでしょうかね、神様……。