Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate
家へ帰って、夫婦喧嘩をみせられるのはたまらない。二人とも貧乏で小心なのだけれども、悪人よりも始末が悪いと思わないわけにはゆかない。夜店を見て歩く。焼鳥の匂いがしている。夜霧のなかに、新宿まで続いた夜店の灯がきらきらと華やいで見える。旅館、写真館、うなぎ屋、骨つぎ、三味線屋、月賦の丸二の家具屋、このあたりは、昔は女郎屋であったとかで、家並がどっしりしている。太宗寺にはサアカスがかかっていた。
行けども行けども賑やかな夜店のつづき、よくもこんなに売るものがあると思うほどなり。今日は東中野まで歩いて帰るつもりで、一杯八銭の牛丼を屋台で食べる。肉とおぼしきものは小さいのが一きれ、あとは玉葱ばかり。飯は宇都宮の吊天井だ。
角筈のほてい屋デパートは建築最中とみえて、夜でも工事場に明るい燈がついている。新宿駅の高い木橋を渡って、煙草専売局の横を鳴子坂の方へ歩く。しゅうしゅうと音をたてて夜霧が流れているような気がする。南部修太郎という小説家の夜霧という小説をふっと思い出すなり。
家へ帰ったのが九時近く。義父は銭湯へ行って留守。台所で水をがぶがぶ飲む。母は火鉢でおからを煎りつけていた。