Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Leggi 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.076 caratteri · 256 schermate
玄関脇の小砂利の上には形ちのよい自動車が主人を送って来て控えている。その車の主こそ京舞の許しものを、昔のおしょさんの出京している間だけならいに通っている、芸ごとが好きな須磨子夫人だった。番町の邸では、時折家族で――子供衆たちの催しではあろうが――大仕掛けなお伽芝居が催されたり、藤間勘十郎のお浚いなどに令嬢の一人舞台で見せられる時もあった。
おしかさんと須磨子さんとは、たしかおないどし生れで、踊り子のなかで、お絹、おまさにつづいて、美貌と上手であった須磨子は、十八の盛りを大橋氏の手に引きとられた。
明治文壇を硯友社の一派が風靡したおりとて、紅葉館の女中の若い美女たちが、互いに好き好きの作者に好意を持つようになったのは、硯友社の尾崎紅葉氏が芝公園近くに生れて、その名さえゆかりもあるというところから、意気もあい、当時の人気作家、花形の青年たちは、毎夜のように、紅葉の襖の照り映ゆる、燈火のもとに集まったのだった。そんなことから、後に紅葉の傑作「金色夜叉」が出ると、お宮はお須磨さんがモデルで、貫一は巌谷小波氏だという噂なども高かった。それよりも、美しさを妬んでか、出世を呪ってか、俳優では幸四郎、お能の方では、京都の片山九郎三郎のと、とやかくと噂するものもあったが、大橋家には家を起した賢夫人が姑としてあったからには