Classici giapponesi con furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Leggi 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.076 caratteri · 256 schermate
満されないものがはびこりはじめた。良人との衝突も度重なって洋燈を投げつけるやら刃物三昧などまでがもちあがった。とうとう無事に納まらなくなってしまった。その間に彼女は卒業した。
ヒステリー気味な所作は良人へばかりではなかった。同期生の男たちが、山出しとか田舎娘などとでも言ったら最期、学校内でも火鉢が飛んだりする事は珍らしくなかったのである。けれども気性のしっかりしているのも群を抜いていたという。一度言出したことは先生の前でも貫こうとする。そういった気性が女王になった芸術座でもかなり人を困らせたのだ。
彼女もまた時代が命令して送りだした一人の女性である。たまたま彼女が泰西の思想劇の女主人公となって舞台の明星となったときに、丁度我国の思想界には婦人問題が論ぜられ、新しき婦人とよばれる若い女性たちの一団は、雑誌『青鞜』を発行して、しきりに新機運を伝えた。すべて女性中心の渦は捲き起り、生々とした力を持って振い立った。その時に「人形の家」のノラに異常な成功をした彼女は、驚異の眼をもって眺められた。彼女の名はあがった。
ある夜更けに冷たい線路に佇ずみ、物思いに沈む抱月氏を見かけたというのもそのころの事であったろう。