Classici giapponesi con furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Leggi 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.076 caratteri · 256 schermate
浄るりに唄われ、劇化され、小説となってその道程を語る時には納得し、正しく批評し、涙をもおしまない人たちが、何故現実のものに触れるとそうまで冷酷になるのであろう。それはいうまでもなく、芸術の高い価値はそこにあるとしても、私が不思議でならないことは、昨日あった事柄を報道するにあわせて、かくもあろうかとの推測を、その周囲からまとめあわせて、早速に初号活字にあてはめた、新聞記者の敏腕に信頼するのはよいが、あんまり引込まれすぎてしまって――それは全く、よくもこう探りだされたものであると思うほど明細で、一事一物もそのことに関係のあるものについては、洩れなく活字にされるが、けれども、それは表面だけの事実ではなかろうか。すくなくも事の真相、死のうとした二人よりほかに知らない秘密は全くの無言だ。その一人は絶息し、その一人は死の手から、ほんのこの世へ取帰されたというだけの、生命のほども覚束ない重傷に呻吟しているおり、その真相が知り得られようわけがない。こう認めた、たしかにこうだと、力んで証明するものがあるとしたとても、それすら、二人の心からは門外漢である。そう見えたとしても、そうであったかどうだかさえ疑問であるのに、ましてや、その死に対する二人の心のうちにも、どんな別々の考えがあったかも測り知れぬではあるまいか。