Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Leggi 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.172 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

これはみんな、世にない人を思い出した歌ではない。ふるさとの人とは、誰をさしていったものだろう、そんなことは言っては悪いと叱られるかもしれない。だが、それだからこそ人間ではないか、それだからわたしは武子さんが悲しく、そして忘れないのだ。ただ、わたしはいう、あの豪気な、大きい心の人が、なぜその苦しみとひたむきに戦わなかったか、この人間の苦しみこそ、宗祖親鸞も戦って戦いぬいて、苦悩の中に救いを見出し大成したのではなかろうか、良致氏が外国で家庭生活をもっていたことが、かえって武子さんを小乗的にしてしまったのかもしれない、仏教のことばなんかつかっておかしいが、そんなふうにもおもえる。さし詰った苦しさというものは、勇気を与えるが、それも長く忍んでいると詠歎的になってしまうものだ。

『白孔雀』の巻末に、柳原白蓮さんが書いているから、すこし引いて見よう、

百人のわれにそしりの火はふるもひとりの人の涙にぞ足る

第一この歌に私はもう涙ぐんでしまった。あのたあ様は本当に深い深い胸の底に涙の壺を抱いていた人だった。

私が今の生活に馴れるまでの間を、たあ様はどんなに励まし、かつ慰めてくれたことであったろう、「貴女は幸福よ。