Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Leggi 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.172 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

「例の通り、お雪さんの身元しらべ。」

お雪は済まなさそうに、ほほ、ほほと、薄笑いした。

「また、刀鍛冶の娘だと、おっしゃったのでしょう。」

お雪はモルガンが、自分の生れを、日本の魂を打つ刀鍛冶の女だと吹聴し、刀鍛冶という職業は、武士の階級だといって、日本娘お雪を紹介するのを、気まり悪く思っているのだった。

――いいや、彼奴は、そうかとはいわなかった。それどころか彼奴がいうには、モルガン君、君の夫人は、芸妓ガールだと、最近来た日本人がはなしてたよといった――

そんなふうに、友人から、面皮を剥がれて来たことを、モルガンは押しかくして、

「彼は、どうして君のおくさんは日本服ばかり着ているのだというから、一番よく似合うからさといったのだが――」

モルガンのそういう調子には、何処か平日とは違うものがあった。

「実際うるさい奴らだ。」

お雪は、モルガンの楽しまない顔色を見てとって、ふと、競馬場で摺れ違うと、豪然と顔を反して去った老婦人に出逢ったからだと、気がついていた事を、それとなく言いだした。

「あの方ね、あの年をとった女の方、あれがマアガレットさんのお母さんですの?」