Classici giapponesi con furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Leggi 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.172 caratteri · 277 schermate
「どうせ華族の女だもの、薄馬鹿に定まってらあ、武子っていう女は低脳だよ」
たしかにこんな蔭口をたたいた事のあったこの男も、すっかり参ってしまって、辞去する頃には、「ねえ、僕らの運動の資金をかせいで下さいな、何? 丁度新聞社から夕刊に出す続きものを頼まれてるんですって? そいつはうまいや、いや、どうも有難う。」
その男が帰ってしまったあとで私はたあ様に訊いた。「たあ様の周囲にあんな話をして聞かせる方もありますまいに、いつのまにあんな学問なさったの?」その時、たあ様は笑いながら、「私だってそう馬鹿にしたもんじゃありませんよ。」(下略)
この一節に思いあわせたのだった。その訪問者の軽率なのも、掠屋にもおかしさもあったが、武子さんの晩年の救済事業が、なんとなく冴えてきた心境を感じさせていたので、人を選るいとまもなく、聞こうとしたものがあったのだと思わせられた。死んでしまった、古い宗教から脱けて、自分の救いを――と、いってわるければ、新しくゆく道を探ねていた人ではないかと、思っていたことにこの一節がぴたときたのだった。
武子さんを書く場合に、普通常識ではかりきれないものがあるということを、はっきりさせておかないと具合がわるい。