Classici giapponesi con furigana
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いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
Leggi 新編 風雪のビヴァーク (いちのくらさわなんりょう) di 松濤 明 (まつなみあきら) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.081 caratteri · 51 schermate
これで山ともお別れになる。峠の下からしばらく岳を眺めた。
空は今日もまた素晴らしく澄み渡って、岳は美しく輝いている。快い微風が頬をかすめ、暖かい春の一日である。一週間の山旅への不吉な悔恨は今は和んで、楽しい追憶のみがよみがえっていた。あの白く輝く岳の奥から鄙びた不可思議な旋律が風に乗って伝わってくる。それが無性に私を引きつける。これを見、あれを聞く時、山へ行くのが苦しいから山へ行くのでなく、また楽しいから行くのでもない。純粋に「一つのものを作り上げること」のみを目指して山へ入れるような、氷のような山男となることのいかに困難であるかをしみじみと感ずるのだ。
今までと打って変って暗い甲州側へ雪を蹴散らして駆け下りた。