Classici giapponesi con furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate
この不思議な事件の吟味を取扱った人は、時の名判官板倉殿、年内余日も無く皆々渡世のさわりもあるべし、正月二十五日に詮索をはじめる、そのあいだ、かの十人の者ひとりも他国仕るな、という仰せがあり、やがて初春の二十五日に、お役所からお達しがあり、かの十人の者ども各々その女房を召連れてまかり出ずべし、もし女房無き者は、その姉妹、あるいは姪伯母、かねて最も近親の女をひとり同道して出頭致すべしとの上意。情をかけてこんな迷惑、親爺の遺言に貧乏人とは附合うなとあったが、なるほどここのところだ、十両の大金を捨て、そのうえお役所へ呼び出されるとはつまらぬ、とかく情は損のもと也、と露骨な卑しい愚痴を言うものもあり、とにかく女房を連れておそるおそるお白洲に出ると、板倉殿は笑いながら十人の者に鬮引きをさせて、一、二の順番をきめ、その順序のとおりに十組の名を大きな紙に書きしたためて番附を作り、お役所の前に張出させて、さて威儀を正していかめしく申し渡すよう、
「このたび百両の金子紛失の件、とにもかくにも、そちたちの過怠、その場に居合せながら大金の紛失に気附かざりしとは、察するところ、意地汚く酒を過し、大酔に及んだがためと思われる。