Classici giapponesi con furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate
より池の端のほうへぶらりぶらり歩いて、しんちゅう屋の市右衛門とて当時有名な金魚屋の店先にふと足をとどめ、中庭を覗けば綺麗な生簀が整然と七、八十もならび、一つ一つの生簀には清水が流れて水底には緑の藻がそよぎ、金魚、銀魚、藻をくぐり抜けて鱗を光らせ、中には尾鰭の長さ五寸以上のものもあり、生意気な三粋人も、その見事さには無邪気に眼を丸くして驚き、日本一の美人をここで見つけたと騒ぎ、なおも見ていると、その金魚を五両、十両の馬鹿高い値段で、少しも値切らず平気で買って行く人が次々とあるので、やっぱり江戸は違う、上方には無い事だ、あの十両の金魚は大名の若様のおもちゃであろうか、三日養って猫に食われてそれでも格別くやしそうな顔もせずまたこの店へ来て買うのであろうな、いかさま武蔵野は広い、はじめて江戸を見直したわい、などと口々に勝手な事を言って単純に興奮し、これを見ただけでも江戸へ来たかいがあった、上方へのよい土産話が出来た、と互いによろこび首肯き合っているところへ、賤しい身なりの小男が、小桶に玉網を持ち添えてちょこちょこと店へやって来て、金魚屋の番頭にやたらにお辞儀をしてお追従笑いなどしている。