Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゃくしょこくばなし

新釈諸国噺

太宰 治

Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate

Aozora Bunko

「動くな、動くな。その場を捜せ。たしかにそこだ。私はその場に落したのだ。いま思い出した。たしかにそこだ。さらに八文ある筈だ。落したものは、落した場所にあるにきまっている。それ! 皆の者、銭は三文見つかったぞ。さらに精出して、そこな下郎の周囲を捜せ。」とたいへんな騒ぎ方である。

人足たちはぞろぞろと浅田の身のまわりに集り、

「兄貴はやっぱり勘がいいな。何か、秘伝でもあるのかね。教えてくれよ。おれはもう凍えて死にそうだ。どうしたら、そんなにうまく捜し出せるのか。」と口々に尋ねた。

浅田はもっともらしい顔をして、

「なあに、秘伝というほどの事でもないが、問題は足の指だよ。」

「足の指?」

「そうさ。おまえたちは、手でさぐるからいけない。おれのように、ほうら、こんな工合に足の指先でさぐると見つかる。」と言いながら妙な腰つきで川底の砂利を踏みにじり、皆がその足元を見つめているすきを狙ってまたも自分の腹掛けから二文ばかり取り出して、

「おや?」と呟き、その銭を握った片手を水中に入れて、

「あった!」と叫んだ。

「なに、あったか。」と打てば響く青砥の蛮声。「銭は、あったか。