Classici giapponesi con furigana
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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Leggi 日は輝けり (ひはかがやけり) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.445 caratteri · 152 schermate
かすかな風につれて窮まりもなく変って行く雲の形、あかるい日の光を全身にあびて、あんなにも嬉しそうに笑いさざめいている木々の葉、その下にずらりと頭をそろえている瓦屋根。
「ア! 烏が飛んできた! 猫が居眠りをしている……。まああそこに生えているのは、何という草なんだろう? おかしいこと、あんな高い屋根の上に――、ずいぶん呑気そうだわねえ……」
子供のように、微笑みながら、先の屋根に、キラキラしながら、そよいでいるペンペン草を眺めていると、夏の眠い微風が、静かに彼女の顔を撫でて通った。彼女の耳は、風に運ばれてきたいろいろな音響――かすかな楽隊、電車のベル、荷車のカタカタいう音、足音、笑声――をはっきり聞きとった。と、同時に、
「あ……私は助かった、ほんとに助かった※(感嘆符二つ、1-8-75)」
という感じが、気の遠くなるような薫香をもって、痛いほど強く彼女の心をうった。
「ほんとに私は助かった。こうやって生きていられる!」思わず嬉し涙がこぼれた。魂の隅から隅まで、美しい愛情で輝き渡って。誰にでもよくしてあげなければすまない心持になり、彼女は歓喜の頂点で、啜泣いたのである。