Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にちげつさま

日月様

坂口 安吾

Leggi 日月様 (にちげつさま) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.162 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

彼は男装に変って現われてきた。

「今宵は、ひとつ、ぜひ御案内致したいところがありますんで、エッヘッヘ。いぶせき所ですが、私がお伴致しております限り、先生にインネンを吹っかける奴もありません。その点は御安心を願いまして、人生の下の下なるところを、御見学願います」

「麻薬宿じゃないの。そんなの見ても仕方がないよ」

「どう致しまして。国法にふれる場所じゃアありませんや。エッヘッヘ。先生もいやに麻薬恐怖症ですな。ちょッと、お待ちなすって」

彼は一人の女給と片隅で何か打ち合せていたが、まもなく一人戻ってきて、私を外へつれだした。

彼の店で強い酒をのんだせいで、私も大いに酔っていたが、見知らぬ土地の見知らぬ道を曲りくねって、案内された所は、新築したばかりの、ちょッと小粋な家であった。私は待合だろうと思ったが、そうではない。たゞの旅館なのである。そのあたりは、たしかに待合地帯ではなく、旅館のあるべきような地帯でもなかった。そのくせ部屋は待合の造りのようでもあり、立派な浴室があった。ほかに、客はいなかった。

「ここは君の内職にやってる店と違うのかい」

「どう致しまして。