Classici giapponesi con furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Leggi 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.771 caratteri · 313 schermate
大和伊豆、三浦越中、弘中三河守等の勇将は、敵は少し、恐るるに足らず、返せ返せと叫んで奮戦したが、一度浮足たった大軍は、どっと崩れるままに、我先に船に乗らんと海岸を目指して逃出した。晴賢は、自身采配を以て身を揉んで下知したが、一度崩れ立った大軍は、如何ともし難く、瞬く中に塔の岡の本陣は、毛利軍に蹂躙されてしまった。
敗兵が船に乗ったので、陶の水軍が、俄かに狼狽て出したところを、毛利の第三軍たる村上、来島等の水軍が攻めかかったので、陶の水軍は忽ち撃破されて、多くの兵船は、防州の矢代島を目指して逃げてしまった。
塔の岡の本陣を攻落された陶軍は、厳島神社の背面を西へ西へと逃走した。勇将弘中三河守は同中務と共に主君晴賢の退却を援護せんが為に、厳島神社の西方、滝小路(現在の滝町)を後に当て、五百騎ばかりにて吉川元春の追撃を迎え撃った。弘中父子必死に防戦したから、流石の吉川勢も斬立てられ、十四、五間ばかり退却した。元春自身槍をとって、奮戦していると、弘中軍の武将青景波多野等、滝町の横町、柳小路から吉川勢を横撃した。
此の時吉川勢殆んど危かったのを、熊谷伊豆守信直等馳合せて、其の急を救ったので、弘中衆寡敵せず、滝小路の民家に火を放って、弥山道の大聖院に引あげた。