Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8286 caratteri · 16 schermate
……笛のつぎには鼓をならいました、連歌や詩や絵などもお稽古をしました、そのなかには茶の湯のように、人にすぐれた才を認められて、どうかして末遂げるまでやりぬくようにといわれたものも一つや二つはありました、でもわたくしはどれにも奥底まではゆかず、九分どおりでやめてしまったのです。世間では、わたくしの才を惜しんでくれました、またわたくしが飽きやすいと云って笑いました、良人さえも時おりは移り気なことだと苦々しげに仰しゃっていました、……加代さん、わたくしが芸ごとをつぎつぎに変えたのは移り気からだとお思いになりますか」
かな女はしずかに嫁の眼を見やり、考える時間を与えるように、一句ずつ区切りながら続けて云った。
「武家のあるじは御しゅくんのために身命のご奉公をするのが本分です、そのご奉公に瑾のないようにするためには、些かでも家政に緩みがあってはなりません、あるじのご奉公が身命を賭しているように、家をあずかる妻のつとめも身命をうちこんだものでなければなりません。……家政のきりもりに怠りがなく、良人に仕えて貞節なれば、それで婦のつとめは果されたと思うかも知れませんが、それはかたちの上のことにすぎません、本当に大切なものはもっとほかのところにあります。