Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.649 caratteri · 27 schermate
そしてそれ以上は黙って聞いているのに耐えられなくなり、二人の間へさりげなく言葉をしはさんだ、
「いったいご用というのはなに、二人とも肝心な話をさきに仰しゃいな」
「ああそのことね」
小松は持っていた風鈴をそばにある用箪笥の上に載せ、姉のそばへ来て坐りながら云った、
「それはねえお姉さま、お城でもう五日すると重陽の御祝儀がございましょう、それが済んだらわたくしたち三人で、栃尾の湯泉へ保養にゆきたいと思いますの、そのおさそいにあがったのですけれど」
「栃尾へ保養に、わたくしが」
「これまでのご恩がえしに、小姉さまとわたくしとでご招待よ」
津留はずかずかと云った、
「なんにもご心配なさらないで、お姉さまはおからだだけいらしって下さればいいの、ねえ、たまにはご謀反もあそばせよ」
「だめですよ、なにをのんきなことを仰しゃるの、あなたたちは」
弥生はできるだけ調子をやわらげながら答えた、
「考えてごらんなさいな、わたくしが家をあけてあとをどうするの、旦那さまにお炊事をして頂けとでもいうんですか」
「それはわたくしの家から下婢をお貸ししますわ、気はしの利くよく働く下婢がいますの、それを留守のあいだこちらへよこしますから、ねえお姉さまそれならよろしいでしょう」