Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.409 caratteri · 23 schermate
「いま常陸介の申した意見をもっともと思う者は前へすすむがよい」
かれらは互いに眼をみかわしたが、やがてほぼ半数の者が席をすすめた。
「あとの者はべつに意見がありますか」
「われらは」と舟橋内匠が云った、「いかようともおかた様のおぼしめしどおりにつかまつる所存でござります」
「それは意見ではあるまい」常陸介がきっと向き直った、「おかた様おぼしめしどおりとは、われらも申すことだ、いくさ評定であるかぎり、殿お留守をあずかる責任をも考えあわせ、しかとした所存を申上ぐべきではないか」
「これがわれらのしかとした所存なのだ」
ふたりはそこで激しく議論をたたかわした。さいぜんからおなじ問題がやりとりされていたものとみえて、ほかの人々も二派にわかれて、こわだかに云いつのった。しかしやがて、だまって聴いている真名女に気づいて、はてしのない議論をやめた。しずかになった広間の四壁に、燭の光が人々の影をおどろおどろしくうつしだしている。
「おかた様にはいかがおぼしめしまするか」
酒巻靱負之助がはじめて口をひらいた、真名女はうちかえすように云った。
「わらわはこの城をまもります」
無造作な、なにげない言葉だった、常陸介がずっと顔をあげた。