Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9672 caratteri · 20 schermate
手紙にはそう書いてあった。――されどわれは信之の父、幸村は弟なり、舅、嫁、嫂、義弟とつながるあいだがらに、かほどの要慎はいかにやと存ぜられそろ、われら沼田にたちよる心は、身すでに老い朽ちていつ果つべしとも知れず、信濃にかえりてはふたたびあい逢うおりもおぼつかなければ、せめて一夜を嫁とも語り、孫どもを膝にいだきて老のなぐさめにせんとのねがいのみにござそろ。このほかにいささかの他念なく候えば、抂げて一夜の宿をたのみいりそろ。
松子の心はよろよろとなった、手紙の文字に偽りはないであろう、ただ嫁に逢い、孫を抱きたいという言葉のなかには、少しの装いもない切実な老人の心がこもっている。ひとの嫁として、子たちの母として、この言葉をしも拒むちからがあるであろうか。――お逢わせ申したい。松子は胸いっぱい呻くようにそう思った、そのとき広縁を踏みならして、仙千代と隼人がはいって来た、仙千代はびっくりしたような眼をみはり、小さな胸をわくわくさせていた、顔じゅうが幼いよろこびに溢れていた。
「おたあさま、上田のおじいさまがおいでなさるのですか」
「しずかになさい」
松子はうろたえて叱った。