Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9672 caratteri · 20 schermate
昌幸はふっと眼が熱くなるようにおもい、だがあの嫁があるかぎり孫たちのゆくすえは安心だと思った。
ちょうどそのとき、城の矢倉の上では松子がふたりの子といっしょにこちらを見ていた、昌幸たちがしゅったつしたと聞いて、仙千代と隼人をつれてここへ登って来たのである。かの女は矢狭間の上へふたりを乗せ、霧にとざされた城下町のほうを指さしながら、
「ごらんなさい仙千代、隼人もよくごらんなさい」と云った、「いまあの霧のなかを、あなた方のおじいさまがおくにへお帰りになっていらっしゃるところですよ」
「おじいさまって、上田のおじいさまですか」
仙千代はさかしげな眼をあげてびっくりしたように母を見た、松子はそのまなざしを受けきれなかった。
「そうです、上田城のおじいさまです」
「ではやっぱりいらしったのですね、おじいさまがいらしったのは本当だったのですね」いかにも不服そうな調子だったが、それはむしろ祖父に対するもののようだった、
「でもそれならどうして、どうして仙千代に会いにいらっしゃらなかったのですか、おじいさまはもう仙千代がお嫌いになってしまったんでしょうか」
「……またすぐに」