Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.885 caratteri · 27 schermate
二
を勤める足軽の家にひきとられて育った。もう十九にもなり、縹緻も悪くはないのだが、そういう身の上なので縁談も遠く、こうして人なかへ出ても自分から肩をすぼめるような感じで、いつもひっそりと、いるかいないかわからないような娘だった。
この三人だけは人々の雑談にも加わらず、黙って仕事をしているのが例だったけれど、その日は花世としんとが妙に浮きうきしたようすで、低い声ながら頻りに囁やき合ったり、肩を竦めて忍び笑いをしたりしていた。
「それが本当ならお祝いをしなくてはね」しんがそう云ってあきつにふり返った、「……ねえあきつさま、花世さまのお兄上がこんど足軽小がしらにご出世をなすったのですって、三河から昨日おたよりがあったのだそうですよ」
「まあそれは、それはおめでとうございますこと」
「あら、お祝いをしなければならないのはしんさまですよ」花世はいそいで云いかぶせた、「……しんさまはねえあきつさま、こんど沢倉孫兵衛さまとご縁談がまとまったのですと、わたくし母から聞きましたの」
二
「あらいけませんわ花世さま」しんはぱっと赧くなった。
「……お祝いなんてまるで違います、沢倉さまはいま三河のお軍にいらしっているのですもの、縁談がきまったにしても、めでたく御凱陣なさるかどうかわかりませんし、わたくし喜こんで頂くような気持ではございませ