Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.923 caratteri · 46 schermate

Aozora Bunko

その忍耐と云う言葉のうちに逃げかくれて、私が何とも申せない、私を愛すると云う言葉の盾をかざすのでございます。

私は彼に、もっと徹底した理解や鼓舞や愛を持って、私の人格全部を見て欲しいのでございます。私には彼の目の荒い考えかたが堪りません。自分の満足のために私の燃え上る熱情――只彼に対してのみ燃え、彼に対してのみ輝く熱情――をむごくも、理屈で消されそうになることはたまりません。真個に或人を愛するものが、その人の苦しむのに対して、私には分らないのだ、いつか私の心を解って来る時が来るだろう、と云ってじっとして居られるものでございましょうか?

おお神様、神様、此等の疑問は私を殆ど気絶させそうでございます。神よ、彼は……彼は……彼自身の愛して居ることを愛して居るのではございませんか、私ではなく、此の私ではなく、彼のうちに今まで対照を見出せなかった愛したい心を私を代にして愛して居るのではございますまいか? 彼は私を愛して、私のために総てをして居ると思って居りますのでしょうけれども――けれども――恐しいことではあっても、彼の驚くべきエゴを見ずには居られなく成りました。