Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
夜更けて帰って来て、なにしろ家がせまいから、明朝また早くゆくといってくつろいでいた。その翌日いったらもう死者は家にいなかった。落魄御直参連一党がつらなって帰って来てつぶやいた。
「今度こそ角力が入用な人間だったってことがわかったよ、おばさんの役にたった一番目で、それがおしまいだ。」
「だが秀逸だ、あの男の。」
父が出てゆくとみんな頭を揃えてさげて、
「ありがとうございました。取りかたづけはすみました、角力がひとりで、しょってしまいました。」
「そうか、あの男でも、それだけの準備はしてあったと見えるね。」
「ところが、それがね、しょってしまったって、一さいの事ではないのですよ。滑稽なことにはおばさんの棺桶をしょってしまったんでさあね。」
「人夫にしょわせるのは嫌だとでもいうんでしょうね、お角力さんの心意気だあね。」
と母が言った。皆は笑った。
「とにかく、今夜はおれひとりでお通夜をします。長く世話になったからというから、家はせまいし、尤だと思ってまかせたら、奴さんその間に、すたこら、自分で始末して、棺に入れてしょって、火葬揚へもってってしまったんで――おばさん死ぬまで、重宝な権助をつかまえといたもんだ。