Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
子供というもの案外ばかにならないと思うのは、今の自分よりよっぽど不正直で要領を得ている。そして元柳ばしぎわに船をつけてもらうと、抱っこしたまま、いい匂いのものにくるまれて、薬研堀の囲いものの家へ投りこまれた。
話はそれたが三河様というのは、
風ふくな、ナア吹くな、
三河様の屋根で、
銀羽根ひろって……
と羽根つきながら風が出てくると呪いに唄う大川端の下邸跡である。向岸には大橋の火の見櫓があって、江戸風景にはなじみ深い景色である。細川下邸の清正公門前の大きな椎の木の並んだ下には、少壮時代の前かけがけ姿の清方さんが長く住まわれて、門柱に「かぶらき」と書いた仮名文字の表札がかけてあった。それより前のことだが、清正公様の傍に歯をいたくなく抜いてくれる家があるというのでいったら、小さな家で、古い障子を二枚たてて、歯みがきを売っている汚いおじいさんが抜いてくれた。大きな樹のうれに、小さい蚊虫がフヨフヨと飛んでいる夕暮れでうす暗い障子のかげで、はげた黒ぬりの耳盥を片手にもたせて、上をむきなさいといわれた。おじいさんの膝頭に頭のうしろをもたせかけ、仰向けにさせられると、その腐ったような顔とむきあった。