Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
まだ、そこまではまず好いとして、おさげ髪、額に黛!
ばかばかしくなって腹が立った。江戸っ子のおやっちゃんは浴衣がすきだ――ともいえなかったが――
そういったも無理がないと思ったのは、仕立屋で博識で、やはり三百の組の井坂さんが話したことだが、この加頭一家の輝夫が死んだ時――もう家の書生はしていなかった――陋巷に死したのだが、例の格式で、借りものの白むくの三枚重ねを女たちはみんな着たが、肝心のやかましやがさきへ死んだので、細君――昔の旗本何千石かの奥方は、結びがみのまま、しかも下駄を買うのをわすれて古びた日和下駄をはいていったと――
井坂さんは類まれな世話やきの親切ものだった。向う新道の、例の角のおいもやさんの後の、大丸のおあぐさんの家の塀の前に住んで小僧さんと職人の三、四人がいた。暮になると人を増していた。いつも綿を入れたり、火熨斗をかけている女房さんは、平面ではあったが目に立つ顔で、多い毛を、太い輪のおばこに結っていた。岩井松之助という、その頃の女形の役者に似ている気がした。親方井坂さんは腕の好い仕立職人だが、どうもじっとして仕事がしていられないと見え町内のことから、何からかから、成田山の講元でもあれば裁判所のことにも興味をもっていた。