Classici giapponesi con furigana
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そうしゅん
早春
豊島 与志雄
Leggi 早春 (そうしゅん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9457 caratteri · 20 schermate
やっぱり怖いんだな。或る時、寒い所で、女が身投げをしたことがあった。飛びこんだのが池で、氷がはりつめてたもんだから、両足は水にはいったが、大きな尻が氷につかえて、どうにも身動きが出来ず、もがいてるところを救いあげられた、という話があるよ。」
「へえー、ほんとですか。」
「ああ、実話だよ。」
そんな話をする彼を、おれは、文学者か画家かでもあろうと思った。――ところが違っていた。中学校の先生だった。もっとも、ちょっとした読物ぐらいは書いていたんだが。
飲んでしまうと、御馳走さんと大きな声で言って、出て行った。
おれは親爺に聞いた。
「あの人、金を払わないね。」
「今日は持っていないらしいよ。またこんど、と小さい声で言ったろう。持ってる時に、いっしょに払うよ。」
「それはいいなあ。おれもそうしよう。」
「お前なんか、だめだ。あぶなくってね。」
そんなことでおれはどうやら彼を好きになったらしい。そして何度か出逢ってるうちに、彼のところに病人があって生魚に不自由して困ってることを知り、時々生魚を届けてやることにした。牛の煮込み屋から遠くない所で、静かな裏通りの古い小さな家だった。