Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はやみみさんじとりものききがき

早耳三次捕物聞書

林 不忘

Leggi 早耳三次捕物聞書 (はやみみさんじとりものききがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9930 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

移って行った浪人はそれでも一年あまりいたが、隣の差配源右衛門が、何かにつけうるさいので、とうとう怒ってあけたようなわけだった。

そこで源右衛門は、あちこち手をまわして口をかけて、借りたいというものの出てくるのを待っていたが、ただの借家でも家主があまり近いといやがる人が多いのに、となりにやかましやの源右衛門という差配が頑張っているので、おいそれと借り手があらわれなかった。一日空かしておけばそれだけ家が寝るわけだから、源右衛門が気ちがいのように借家人を探していると、ある日の夕方、二十歳ばかりのすっきりした美しい女が、六つほどの女の子の手をひいて、源右衛門の格子の前に立った。

女がその家を見たいというので、源右衛門は世辞たらたらで、表の戸を開けた。なかは六畳に四畳半の住み荒らした部屋で、ちょっと誰でも二の足をふむほどのきたなさだったが、女はろくに見もせずにすぐに借りることにして、その翌朝どこからともなしに、風呂敷包みを二つ三つぶらさげたままで、子供をつれて移って来た。

あんまり手軽な引越しなので、源右衛門もちょつと不安な気がしたが、女はさっそく隣近所に蕎麦を配るし、なにしろ美人で愛嬌がいいので、源右衛門も奇異の感よりはむしろ最初から好意をよせていた。