Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.208 caratteri · 52 schermate
あと六日すぎて十二本になる」
一同はできている神の矢を見せてもらった。神の矢は案外に無造作に土間の仕事場、つまり矢を造る工場らしい土間の一隅の木の箱の中に投りこまれていた。
まさしく蛭川真弓を殺した朱の矢と全く同じものである。ヤジリは六寸ほどの鋭く尖った刃物であった。ヤジリをつくるための古風な製鉄の器具がその仕事場の主要な道具であった。
「矢の根も一度に一本しか造らない。まとめて造れば便利だが、古来の定めによって、一本の矢をつくるたびに一本の矢の根をつくることになっている」
矢の数を算えていた新十郎が訊いた。
「あなたは十一本の神の矢が造られていると仰有いましたね」
「そうだ」
「算えてごらんなさい。十本しか有りませんよ。記憶ちがいではありませんか」
「そんなことはない」
天狗も自ら算えてみたが、たしかに十本しかないので、また要心深い顔をした。
「ここに居る一人が、いま隠したのではないか」
「よく改めてごらんなさい」
彼は矢の箱に要心深くフタをしてから、一同を順に改めた。神の矢はどこからも現れなかった。新十郎は遠慮なく質問した。
「以前にもこんなことがあったタメシはありませんか」